5月1日 『日本と中国(北海道版)』国際物流の大きな変化のなかの釧路

 

釧路日中友好協会は経済活動をテーマにして活動している。その背景に釧路を取り巻く状況が大きく変化し、我々自身が明るい未来を創造しているからである。

釧路といえば帯広に人口を抜かれ衰退都市のイメージが定着しているが、それはある意味、情報の非対称性であって経済指標のひとつである。2011年以降、国内外の大企業が徐々に釧路に関心を向け大きな投資を行っている。人口が減る原因は高齢化率3割と高く、地元に十分な大学教育機関の整備が遅れているからである。経済成長する一方で人口が減るため、不足する労働者を大量のベトナム人労働者が埋めている。釧路市にはベトナム名誉領事館が設置された。

釧路は2013年第3四半期日本銀行各支店の短観で国内第2位の景況感を記録した。コロナ渦のなかで2020年釧路の建設業界は過去最高額の1500億円(帝国データバンク釧路支店調べ)の売上となった。背景に巨大な物流倉庫・穀物サイロ、大規模な発電所、大工場、大酪農場などの建設である。釧路港の周辺に巨大な物流機能が集積しだしたわけだ。

これら経済好調の背景に北海道最大の埠頭延長をもつ釧路港の存在が大きい。2011年日本政府は、釧路港を国際バルク戦略港湾に指定した。それまでの地方の港湾から数万トンの巨大なバルクタンカーが入港する東日本最大級の穀物輸入拠点に成長している。

さらに追い風となっているのが「北極海航路」である。スエズ運河経由に比べ40%も距離が短く、温暖化によって安定運用が可能となってきたからである。世界各国の企業が動き出したなか20186月 釧路日中友好協会主催で中国最大の海運会社COSCO社の譚兵社長が来訪し講演「北の釧路 南のシンガポール」が開催された。

釧路港は地政学的にも北東アジアの中継貿易拠点としての役割が期待されている。

巨大な国際コンテナ専用埠頭の整備を推進し、実現すれば釜山に対抗した国際物流拠点を国内に実現できるという日本の国際物流戦略上きわめて重要な課題に合致するからである。

釧路は日本で唯一、港湾後背地は平らで広大にあり、港湾、高速道路、空港、鉄道がリンクし国際水準並みの巨大な物流拠点を形成できるという特徴がある。ここに様々な大企業が注目して動いている。このように当協会が経済をテーマに活動に至るのは必然なのである。

 


2018年8月20日 北極海航路経由で釧路港に入港したCOSCO社のコンテナ搭載バルクタンカー(天恵号 37,125トン)。左 蝦名大也 釧路市長 右 王家馴 在日中国企業協会会長 左で案内してるのは 譚平 COSCO日本代表取締役社長
左2人目 栗林定正 釧路商工会議所会頭 左3人目 中村圭佐 釧路日中友好協会会長
右2人目 小畑やすのり 北海道議会議員 右1人目 月田光明 釧路市議会議員
釧路湾の沖合に浮かぶ各国の貨物船
中国向けくず鉄を搭載しているパナマ船籍(西港区第四ふ頭)


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