『北海道日中友好の50年、そして未来へ』北海道日中友好協会記念誌 釧路掲載文

2014年10月発行



釧路日中友好協会 創立経緯



北海道最大の国際貿易港(穀物分野)を抱え道東最大の都市である釧路市の旧組織が休会していたため社団法人釧路青年会議所が主体的に再建した。



釧路日中友好協会 紹介文



当協会のある釧路市は域内総生産額が1兆2千億円と市民一人当たりの生産規模は札幌市民1人当たりの4倍に達します。これは扇状にひろがる道東の要に位置し大平洋岸最大の都市人口を有し、1900(明治33)年設立の北海道最初の製紙パルプ産業をはじめ臨海工業が発達しているほか、国内唯一の炭鉱、釧路根室地域の酪農業による生産規模は年1200億円(十勝地方は1100億円)と、工業と農業に支えられた産業都市です。

すでに苫小牧港を抜き北海道最大の穀物取扱量となる穀物分野の日本のハブ拠点に成長しつつある「国際バルク戦略港湾」を抱える釧路市は、道東に暮らす100万人の教育、行政、経済の中心都市になります。釧路港の隆盛と合せるように、阿寒、知床の玄関口である釧路空港の国際化によって、アジア中華圏からの観光客が年間15万人も来訪するなど、かつて水産業の凋落とともに衰退都市のイメージが強かった釧路市は、いまでは経済環境がパラダイムシフトし「北海道でもっとも経済の熱い都市」になっています。このことは日本銀行釧路支店の景況DI(+20、2014年第1四半期以下同じ)は、札幌支店(+15)、函館支店(+6)を凌駕し、那覇支店を筆頭に国内上位を形成する好況状態にあることが改めて指標でみてとれます。港湾後背地に民間企業によって次々と大規模流通センターが建設されるなど目覚ましく発展しつつあります。

このように従来の「道東の拠点」という視点から「北米(北極海航路のばあいは欧州)にもっとも近い日本、アジアの穀物ハブ拠点」として、都市の可能性とその実現に向けて視点がいっきにグローバル化しています。

さらに地域経済の国際化にあわせるように、2010(平成22)年ベトナム、ミクロネシア両国が釧路市に名誉領事館を開設しています。日本最大の貿易相手国である中国との懸け橋の役割をもつ当協会の活躍の場は、今後も釧路経済の成長を促すうえでも徐々に大きくなるものと思います。

大きく経済成長に転じた釧路市ですが課題も抱えています。

台湾の2倍もの面積があり四国よりも100万人も人口が多い北海道には、四国よりも少ないたった3校の医学部で医師を養成しています。四国よりも広い道東には1校もありません。

このような状況下、医科大学のない釧路市の医療環境は、人口10万人あたりの医師数で142名(全道平均224人)と国内最低と極めて深刻な医師不足状況下にあります。

このように当協会の役割は活動を通して釧路地域の実情を広く各方面に発信し、「市場の罠」にある釧路市の遅れた教育、医療、福祉分野の整備を促し、自由主義経済のもと地域の国際化を促し道東地域の経済成長の一助となるような活動が期待されているものと考えています。

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