3月23日 『北極海航路で「外交窓口に」』 中国江蘇省民間代表団 釧路港視察や意見交換
釧路新聞記事

2017年3月24日付 釧路新聞社許諾済 



中国江蘇省の民間外交団体トップ、蔡錫生(さいしょくせい)人民対外友好協会副会長ら6人の代表団が22日初めて釧路入りし、蝦名大也市長を表敬訪問した。中国が抱く北極海航路を活用した経済圏構想「一帯一路」の視察の一環とみられる。釧路港を視察した蔡氏は「物流や港湾建設で釧路と交流できることを期待する」と述べ、釧路をアジア圏のビジネス拠点にしたい考えをにじませた。



中国は習近平国家主席が主導し北極海航路を活用しアジアの一大経済圏を目指す「一帯一路」構想を抱いており、今回の代表団来釧はこの一環とみられる。中国人民対外友好協会は中日友好協会の親団体で民間外交を目的にした政府の国務院直轄機関に当たる。江蘇省は南京市を抱え国内2位の経済力があるとされている。

今回の視察の申し入れを受けた釧路日中友好協会(中村圭佐会長)の上見国敏事務局長によると、同国が「一帯一路」構想で欧州や北米間の最短海上輸送ルートで重要な拠点となる釧路港に注目していることから、急きょ決まったという。

蝦名市長への表敬で蔡氏は、同省が主に技術系産業で経済力があり、人やモノの交流で発展性があることを強調。国際バルク戦略港湾に指定されている釧路港を抱える釧路とは「対外交流窓口として交流できれば」と今後のやりとりに期待を寄せた。蝦名市長や同席した釧路商工会議所会頭で流通大手の三ッ輪運輸社長の栗林定正氏は「いい協力ができれば」などと答えた。

一行はこの後、市生涯学習センター最上階から釧路港を一望。西港の三ッ輪運輸本社を訪問し事業展開などを聞き、物流面のみならず、クルーズ船など観光面の受入態勢などを確認していた。

北極海航路では欧州、北米間の海上輸送ルートにおいて北海道が注目されており、中でも苫小牧港や石狩湾新港より北米に最短で行ける釧路港が船舶や船員への燃料、医療提供など供給基地に有効として重要視されている。



以上 2017年3月23日付 釧路新聞一面より (釧路新聞社 2017年3月24日付許諾済)

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