会長挨拶
釧路日中友好協会は日中友好7団体と呼ばれる日本と中国両国の公式友好団体のひとつ(公社)日本中国友好協会の地方組織にあたる。当協会の歴史は古く日中国交正常化以前の1952年釧路市に設置され2004年12月に解散した一代目組織があり、当時日本の国策に基づき発足したもので中国へ水産品、木材、硫黄を輸出していた。
現在の協会は2011年(社)釧路青年会議所と釧路商工会議所の一部協力で新たに発足した。
その背景は2011年釧路港が国際バルク戦略港湾として指定され東日本を代表する国際港湾に発展することが予測されたことがある。各国との外交チャンネルを構築し道内を代表する国際港湾都市として釧路の発展が道東、日本の産業発展に大きく貢献できると考慮したからである。
当時 草野満夫労災病院長(当協会初代会長)が釧路に着任したことが当協会発足の大きな始動に繋がった。
草野氏はガンのセンチネル治療における日本の権威であり、江沢民氏の母校たる名門の上海交通大学医学部客員教授であった。
この時と人との偶然が重なり当協会発足となったのである。
トピックス
11月29日 「米中関係のなかの釧路の立ち位置と今後の発展方向性について」
11月29日 「米中関係のなかの釧路の立ち位置と今後の発展方向性について」
テーマ
1.パクスアメリカーナ(米国覇権)からパクスアシアーナ(アジア覇権)の時代へ
2.北米航路、北極海航路の要衝は釧路港。釧路港への大規模コンテナ港湾の整備は、北海道、日本経済再興の起爆剤になる。
3.釧路の将来像は「北のシンガポール」
→鶴間秀典 新釧路市長 2035年釧路市の人口20万人を目標とするに影響するのか?
濱屋宏隆 釧路日中友好協会会長挨拶文
濱屋宏隆 釧路日中友好協会会長挨拶文
釧路市の発展の盛衰は釧路港の主要取扱貨物に象徴的に表れています。
同時に釧路市の発展と釧路港は一体の関係にあります。
1899(明治32)年の釧路港の開港は、安田財閥による硫黄鉱山開発と硫黄の精錬、輸送のための蒸気機関の動力源として安田炭鉱(のちの太平洋炭鉱)が同時に開発され、最初は火薬の原料として「硫黄」を欧州向けに、さらに鉄道枕木として「原木」を北米と中国に輸出す
る目的ではじまりました。
1901(明治34)年、豊富な原木、漂白用の硫黄を原料に北海道最初の製紙パルプ工場 前田製紙合名会社(代表 元官僚 前田正名[1]のちの男爵)が釧路で「製紙パルプ」の生産をはじめ、それが現在の日本製紙釧路事業所の源流となっています。
さらに、「水産品」、「蝦夷鹿のつの」や「鹿革」の中国向け輸出が行われてきました。
戦後、アジア各国との交易を一度全て喪失しながらも、釧路港は日本最大の水揚げ漁港として発展し釧路の三大基幹産業といえば「水産」、「石炭」、「製紙パルプ」として広く知られることとなりました。
そしていまや北海道最大の穀物輸入拠点 釧路港(2020(令和2)年農水省データ 釧路港88.4万トン、苫小牧港74万トン)と、名実ともに北海道唯一の「国際バルク戦略港湾」として、新たな成長ステージへと進化しはじめています。
中国の諺に『お金持ちになりたければ、まずは道路を作らなければならない。(要想富 先修路)』というものがあります。
2024(令和6年)度中に、釧路は道東道(釧路西IC~釧路空港IC~阿寒IC)の開通によって、国際バルク戦略港湾(水深14m)、釧路空港、鉄道が一極に連結します。
これは国内でも珍しい、事実上の陸海空の物流の一大結節拠点が実現することを意味します。
2017(平成29)年から欧州~釧路~上海の北極海航路による巨大なバルク貨物船(中国COSCO社)の就航以来、日露関係の問題で一時停滞しつつも、欧州とアジアを結ぶ新たな航路として着実に継続しています。
アジアと欧米との航路で、アジアで最も最初に出会うファーストポートが釧路港になります。
2018(平成30)年 中国の国策『一帯一路』における北極政策で釧路港が『北の釧路 南のシンガポール』として標榜されるに至りました。
このような経済環境や地政学的見地からも、また中国との複雑な政府間事情を考慮しても、日中間の経済交流は必然であり、日中双方の民間窓口として釧路日中友好協会の存在意義は不可欠であると信じるものです。
会長 濱屋宏隆(2024年9月現在)
[1] (1850年~1921年)殖産興業政策の政策立案『興業意見』をまとめ実践した。現在のグンゼは前田正名の講演を聞き共感した波多野鶴吉によって設立された。
8月31日 「チャイナフェスティバル2024札幌」開会式
8月30日 「チャイナフェスティバル2024札幌」経済交流会・レセプション
8月30日 「チャイナフェスティバル2024札幌」経済交流会・レセプション
主催 中華人民共和国駐札幌総領事館
会場 札幌パークホテル
中国国家経済成長戦略4つの分野の発表
1.国際的高水準分野の深化(グローバリズムの更なる深化)
2.自主的開放の推進~一帯一路の深化、中国市場の国際開放の推進
3. 新しい生産能力の深化~イノベーションの推進
4.協力とWinWinの深化
王家馴 在日中国企業協会会長の挨拶から
北海道と中国とのはじめての経済協力関係構築の成果は、2017年の欧州と釧路を結ぶ北極海航路を活用した欧州産穀物輸送の不定期航路の開設である。これは北海道の会社と、中国COSCO社との協力によって実現し、以後継続している。
さらに道東自動車道の建設にあたり、日本の大手商社と連携し鋼材を中国から釧路へ輸出したのが二番目の成果である。北海道と中国との経済連携は、釧路から本格化した。
出席 中村圭佐 釧路日中友好協会名誉会長
上見国敏 釧路日中友好協会事務局長
11月29日 12月例会 講演『米中関係のなかの釧路の立ち位置と今後の発展方向性について』
11月29日 12月例会 講演『米中関係のなかの釧路の立ち位置と今後の発展方向性について』
会場 ANAクラウンプラザホテル釧路
時間 17時~18時
2011年に国策である「国際バルク戦略港湾」の指定を受けた釧路港は、かつての日本イチの水揚げ高を誇る水産都市の性格から、国内有数の欧米産飼料穀物の一大輸入拠点として変容しつつある。
国内大手飼料メーカーの釧路進出実現と、あいつぐ物流倉庫の建設。さらに欧米の穀物系メジャーによる釧路を輸入拠点とする動きが出てきた。国内大手企業のひがし北海道での酪農業参入など、釧路港をとりまく経済環境が大きく変容し、かつてないほど釧路地域の経済に大きな影響を及ぼしつつある。この状況は北海道の建設業界では知られているが、多くの市民は気がついていない。「衰退から発展」に潮目が変わったなかで今後の釧路経済について、ポストバイデンのアメリカ外交・国際政治経済学の視点で語っていただこうと思う。キーワードは「アジアの世紀の加速」と、「北の釧路 南のシンガポール」構想の推進である。
講師 進藤栄一 筑波大学名誉教授
北海道帯広市生まれ。北海道帯広柏葉高等学校を経て、1963年京都大学法学部卒業。1965年同法学研究科修士課程、1968年同博士課程単位取得退学。1969年フルブライト給費留学生として米国ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際関係大学院(SAIS)博士課程進学、1970年プリンストン大学研究員、1971年鹿児島大学法文学部講師・助教授、1974年筑波大学講師、東京外国語大学講師、1975年筑波大学大学院地域研究科助教授、1976年社会科学系助教授、教授、学系長hTARAプロジェクト長を歴任。2003年退官、江戸川大学社会学部教授、2008年早稲田大学アジア研究機構客員教授を経て現在、筑波大学大学院名誉教授。この間、プリンストン大学歴史学部、ハーバード大学アメリカ史研究所、ウイルソン国際学術センター、米国平和研究所、ジョンズ・ホプキンズ大学大学院でフェロー、京都大学経済研究所、東京大学東アジア研究所、名古屋大学法学部、金沢大学法文学、オースチン・カレッジ、サイモンフレーザー大学院、メキシコ大学院大学、香港中文大学で客員教授。シンガポール国立大学、延世大学、コペンハーゲン大学、オックスフォード大学でシニア・フェロー。
1976年、法学博士(京都大学)の学位を取得。国際問題研究協会共同代表東アジア共同体評議会副議長、日本新技術促進機構会長、日本国際フォーラム参与・政策委員、国際アジア共同体学会代(ISAC)設立表。・会長、公益信託安田和風アジア青少年交流基金監査、一般社団法人アジア連合大学院機構(GAIA)理事長、一帯一路日本研究センター代表。
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