9月10日 「一帯一路」構想と釧路について 勉強会


釧路日中友好協会第1回訪中団は、「国家一帯一路律師服務連盟主席 馬 辕进」氏を会食に招聘し、中国政府 習近平国家主席が思考する「一帯一路」構想について勉強会を行った。

出席者

中村圭佐 釧路日中友好協会会長

上見国敏 釧路日中友好協会事務局長

その他 2名

中国側出席者

馬 辕进 国家一帯一路律師服務連盟主席

その他 2名

以下敬称略

中村 まずは釧路日中友好協会の訪中団受入のご協力に感謝する。

次に現在、中国政府は「一帯一路」構想を推進しているこのことについて率直にご教授願いたい。

上見 日本で「一帯一路」構想は、ことさら旧シルクロード、中国から東南アジア経由でのこの二方面が強調され報道されている。しかしながら地球規模での中国、北米、欧州とのグローバルロジステックスであると理解してるがどうか?

馬 まさにそうである。米国、欧州、中国、日本この世界四極を主眼に、中国とそれら3極との安定的なグローバルロジスティクスを構築するのが、中国の安定的な経済発展に繋がるという国家戦略である。

上見 日本政府は国内5か所の港を国策として国際ハブ港湾として重点整備することに決まっている。

東日本では釧路港が穀物分野で国際ハブ港湾化すると期待され整備されている。

年内に水深14Mの埠頭が竣工し、2018年を目標に水深16Mの大深度埠頭が完成する。

埠頭延長は10キロに及ぶ日本を代表する巨大な港が釧路に完成する。

馬 釧路港については中国政府は極めて注目している。というのも、今後欧州との海運は従来の東南アジア沖を経由する航路から、欧州~ムルマンスク~アリューシャン沖~北海道~中国という海路が主流になりつつある。

中国にとって重要なパートナーである米国との物流を考慮すると、北極海航路と北米航路は千島列島まで海路が重複するのである。

ここに釧路港の優位性が出てくるのである。

北海道の主な物流拠点である苫小牧港、小樽港、石狩湾新港は、主要航路から逸脱し、釧路港のような競争優位性はないと考えている。

というのも北海道の経済規模はあまりにも小さく、わざわざ苫小牧港、小樽港、石狩湾新港に燃料費をかけて経由する価値はみいだせないからである。

しかし釧路港はその地理的位置から、燃料補給、その他各種の重要な中継拠点基地としての価値があるのである。

上見 なるほど。釧路が日本にとっても北米航路の重要拠点であるが、同時に今後は北極海航路、さらに中国にとっても重要な国際港湾拠点としての基地となることがわかった。

馬 釧路はアジアの玄関口として飛躍的に発展成長する可能性が高い。しかし同時に問題点がある。日本人の住民人口が少ないため、今後急速に国際化するにあたり地元住民と外国人との軋轢が生まれないか懸念をしている。

中村 同じ北海道でニセコ地区ですでに地元住民とオーストラリア人とのトラブルについて伝え聞いている。

今後少子高齢化で人口減少が見込まれ釧路市も人口が減少していくなかで、都市の国際化によって人口が増えることを良しとして、そのなかで各問題に真摯に向き合って解決し、釧路市の明るい未来、釧路市のさらなる発展を実現したく思っている。

上見 今年12月を予定している安倍首相とロシアプーチン大統領との会談では、北方四島、さらに北極海航路に絡み釧路港に自由貿易エリアにしてはどうかという提案がなされるとのことだが、中国政府は釧路での具体的な事業は思考しているのか?

馬 まだ釧路での具体的な事業計画は把握していない。

中村 本日は貴重なお話に感謝する。

釧路に馬先生がお見えの際には、釧路湿原のカヌーツアーをセッティングのうえ歓迎したい。是非とも釧路訪問を実現したい。


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